
| 生まれ |
1976年 |
| 子供の頃の夢 |
発明家 |
| クラブ活動(中学校) |
バレーボール部、科学部 |
| 働いている地域 |
山梨県 |
出身地 |
愛知県 |
| 仕事内容 |
森を守り、森のことを伝える |
| 自己紹介 |
仕事場ではあまりそう見えないようですが、お調子者で、おっちょこちょいで、めんどくさがりや。好きな言葉は「ぼちぼち」。毎日15分の昼寝(ひるね)と散歩は大事な日課。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2006年11月22日)時点のものです


僕の職業はレンジャーです。レンジャーというと分かりにくいかもしれませんが、他の言い方をすると自然解説員。森を守り、森のことを伝える仕事をしています。森の中にはどんな生き物がいて、どんなものを食べて、どんな生活をしているのか調べたり、どうすれば森を守れるかを考えたり、森に来た人達を案内したりします。案内する時には、一緒に森の中に入って、その時々の自然、四季を感じられるものを紹介したり、自然の中で遊びながら学んだりします。話しをすることができない森に住む動物や植物の代わりに、僕たちレンジャーが自然のこと伝えるので、僕たちのことをインタープリター(通訳)と呼ぶ人もいます。

森にやって来る人を案内する前には必ず下見をします。寒さや暑さなどの気候や天気、この時期の植物や動物についてどんな話しをすれば楽しく過ごしてもらえるか、安全に通れる場所か、などを確認します。森の中を気持ちよく歩くことができるように、歩道を整備することも僕たちの仕事です。何でもできることは自分達でやるんですよ!ペンキ塗りや柵作り、草刈りも看板作りも…。実は、そういったことを体験プログラムとして、森に来た人達と一緒に取り組むこともあるんですよ。また、八ヶ岳自然ふれあいセンターという場所で、展示物の作成や説明をしたり、来場者からの質問に答えたりもします。「森を歩くおすすめのコースは?」とか、「美味しいお蕎麦屋さんはどこ?」とか、「こんなキノコを見つけたんですけど、食べられますか?」とか、色々な質問をされます。他には、自然の中での仕事ばかりでなくて、ウェブサイトを作ったり、森を学ぶプログラムの企画書を作ったり、チラシを作ったりする仕事も多いんですよ。実は机に向かってする仕事の方が多いくらいです。

これまで自然に対してあまり縁のなかった人が、自然の面白さを発見してくれると、とても嬉しい気持ちになります。森はちょっと歩きにくいハイヒールの人や、たまたま観光のついでに立ち寄った人。、その人達が「自然って面白いな~」という仕草や発言をした時には、僕は心の中でガッツポーズをしています(笑)。ソフトクリームを食べに寄っただけの人が、葉っぱのスタンプで作品を作ったり、友達同士で楽しげに見せ合ったりしている時もガッツポーズ(笑)。また、僕一人で歩いていたら気付かないことを、森に訪れた人を案内している時に気が付くこともあります。誰かと一緒に歩いていると、人それぞれ感性やものの見方が違って新しい発見があるんです。特に子ども達と過ごすときは発見が多いですね。子どもは天才です!この前も田んぼで一緒に作業をした時、歩く度に「グチュ!グチュ!」って音がしていたんですが、それを聞いて子ども達は「田んぼがおならする~」と言っていました。子どもの言葉にはキラッと光るものがありますね。

2005年には、「愛・地球博」の「森の自然学校」というパビリオンでインタープリターの仕事をしました。自然のことを解説するだけではなくて、森への入口で「1時間待ちで~す」と大きい声を出しながらのお客さんの案内や、地元愛知県の出身ということもあって、インタープリターとして働く人のための研修も担当しました。この時は「どれだけ短い時間で、森や自然についてあまり興味がない人にどうやって興味を持ってもらうか」という挑戦でもあったので、たくさんの工夫をしました。清里での仕事とは違い、本当に沢山の人を相手にするので色々な問題も起こったし、閉幕寸前の来場者のピーク時は準備をしなければいけないことが多くて本当に大変でした。でも、一人では限界があることでも、多くの人が協力することで乗り越えられました。人気のパビリオンにも負けない50万人以上の人が来てくれたんです!涼しい清里で過ごす普段の夏とは違って、とても暑い夏になりましたが、すごくいい経験になりました。

大学生の時には学校の先生になろうと思っていたんです。でも試験に通らなかったので、非常勤講師として学校の先生の仕事をしたり、農家や牧場で仕事を体験したり、旅行をしたりしていました。そんな時に、興味を持っていたキープ協会で実習生をさせてもらえることになったんです。そして、実習生を続けているうちに、学校の外から学校教育に関わることもいいかな?と思うようになって、社会科の先生になるつもりが、気づいたらレンジャーになっていました。この仕事には、森林インストラクターとかネイチャーゲーム指導員など、いくつか関連する資格はあるのですが、これらの資格が無いと仕事に就けないわけでもありません。森や自然に関わるレンジャーになりたければ、「自然学校」と呼ばれる自然体験が出来る学校で実習生として経験を積む人が多いですね。。僕も実習生として仕事を始めてから、動物や植物、森について色々な事を学びました。1年目はとっても大変でしたが、勉強したり、レンジャー仲間と「こんな面白いことあったよ!」って教え合ったりしながら、知識と経験を増やしていきました。

僕は動物がすごく好きなので、森の中で生き物の痕跡を見つけるとワクワクします。春先に鹿の角を見つけた時は本当に感動です!森に長い間住んでいれば、だんだんと鹿の生活が分かるようになるので、いつぐらいに、どのような場所でよく発見できるか、が分かってくるんです。もう何本も拾っているから、仕事ではこれ以上はいらないだろ~って思っても、見つけるとやっぱり嬉しい(笑)。鹿の角以外にも、剥製を作る時に要らなくなった動物の骨(剥製に骨は使わない)とか、色んな植物や花の種などを見つけるのも好きです。1つの花にすごい数の種が入っているとワクワクします!皆さんも「自然って面白い」を見つけてくださいね。

無理はしない、ほどほど、ぼちぼち、が僕のポリシーです(笑)。「持続可能であること」、無理して体調が悪くなったり、元気が無くなったりしたら何事も続きません。そのために欠かせない日課があります。毎日15分の「お昼寝」です!元気になるためには毎日欠かせませんね~。お昼寝用のマイハンモックも持っています(笑)。森を案内したり、解説するプログラム中に大切にしているのは、必ず笑いを取ることです。笑うと気持ちもほぐれるし、関係もほぐれるから本当に大切なんです。僕が伝えたい気持ちも伝わりやすくなり、自然の中での「発見」がしやすくなる。「クスッ」とした笑いひとつで、その場の空気がやわらかく温かなものになります。楽しくなきゃね。もちろん、なかなか笑ってもらえない時もありますが、そういう時はその「困難な状況」を僕は楽しんじゃう。全ていい方に、ポジティブに考えちゃうんですよ。こんなトラブル起きました~って時は、「よ~し!どうやって解決してやろうか!?」ってね。ポジティブ過ぎかな(笑)。でも、無理はしないで楽しむことって大切ですよ。

僕は、4人兄弟の3番目でかなりお調子者でおっちょこちょいでした。目立ちたがり屋でしたけど、きっと相手にしてもらいたかったんだろうな~って思います。授業中は「どうしたら笑いが取れるか?」と真剣に考えながら授業受けていました(笑)。中学の時、先生が話してくれた山に興味を持って、その山まで自転車で行ってみたこともあります。朝6時から出かけたのですが、日が暮れても家に帰り着かず、どうしようかと焦りました。尊敬できる先生とか、誰かに対して「すごいな~」と思ったり、興味を持ったらすぐに真似をしたがる子で、そういうところは今も変わらないですね。レンジャーも、憧れの人の話を聞いて入った仕事ですから。

「好きだな」「面白いな~」って思ったことをどんどんやってみたらいい。色々やる中で出会いがあったり、好きなことをやっていくうちに、苦手だと思っていたことも意外と面白かったりして。どんな事でも繋がっていくと思うんです。僕も、いろいろと行動する中で、今の仕事に繋がった。始めは、自然の仕組みの面白さも知らなかったし、そういうものに自分も興味が持てるってことも知らなかった。だから、皆さんも「好き」「面白い」を大切にしていって欲しいですね。
取材・原稿作成:倉田(インターンスタッフ)