
| 生まれ |
1971年 |
| 子供の頃の夢 |
学校の先生 |
| クラブ活動(中学校) |
バスケットボール部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
千葉県 |
| 仕事内容 |
新しいおもちゃを開発する |
| 自己紹介 |
人と接すること、便利になるものを考えるのが好き。子どもたちと過ごす週末がとても楽しみで、は7歳(さい)、5歳(さい)の子どものサッカーの練習を見たり、応援(おうえん)に行きます。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2006年11月02日)時点のものです


新しいおもちゃを考えて形にするのが私の仕事です。「こんなものがあったら面白いだろうな」と、アイデアやヒントを見つけることから始まり、「こういう形にすれば売れるのではないか」というところまでつき詰めて商品にします。自分が考えたものがお店に並び、皆に買ってもらえるようになるまで、半年から1年ぐらいもかかるんですよ。アイデアが一番大切なので、毎日ふとしたことでも、「これがいい!」と思ったことは必ず手帳に書き留めたり、デパートのおもちゃ売り場へ出かけて、お客さんがどのようなおもちゃの商品を求めているのかを知って情報を溜めるようにしています。ロボットのショーを見に行くこともあります。複雑な動作をするロボットの技術をおもちゃにも生かせないだろうか?と考えながら見たり、ショーを見ている観客の人々が、ロボットのどんなところに感動しているのかもじっくり観察します。そうすることで、自分が考えたアイデアが「これならいける!」「こういった商品はヒットしにくいかも」と直感で判断できるようになるんですよ。
皆(みな)で相談しながら絵を描(か)き、試作品を作ってみる

アイデアが浮かんできたら、それが売れるアイデアなのか、今の子どもたちに遊ばせたいものなのか、会社の開発部の人や専門の先生と相談をしながら考えます。そして、それが一体どんな商品になりそうか、絵を描きます。そうやってイメージが具体的になってくると、今度は私達の会社の工場や専門の会社に頼んでおもちゃの試作品を作ってもらい、できあがった試作品を見ておもちゃの大きさや形、どのように動くかなどの機能を確認します。出来上がってきた試作品をチェックし、安全性や使いやすさを再度確認してOKが出たらいよいよ売り出す商品となります。でも、この試作品を完成させるまでは苦労の連続。例えば、子ども用のオマルを作ったときのことですが、どんな子どもでもゆったり座れるようにオマルの幅をどのぐらい狭くしたらいいのか、形に丸みをもう少しつけたほうが痛くないのではないかなど、細かい調整を何度も何度も繰り返して完成させました。

モノを作り出すときは、会社の仲間とたくさん話をしてお互いに協力することが重要です。最初の自分のアイデアのレベルが10段階で「3」ぐらいだとしましょう。たくさん知識を持っている人に相談して、新たにヒントをもらい、絵の上手な人に「こんな感じのおもちゃを描いて」と頼んで形になったとき、最初の「3」が「10」に高まります。皆に相談し、時には助けられながら商品をレベルアップすること、これはとても重要なことです。また、失敗は早いうちにした方がいいと感じています。最初の頃に失敗をして、それがダメだと確認してから進むと「正解」に近づいていくんです。以前、おもちゃの箱の表示にふとしたミスを発見してあわてて直したことがありましたが、もし「自分は失敗していない」と失敗を認めないで進んでしまうと後で大変なことになります。私達が作ったおもちゃは最終的に子どもたちが使うものなので、それを考えたら、失敗と真剣に向き合わなくてはいけない。お客さんに喜んでもらえるよう、安全で楽しい商品を作り出すということは、常に失敗と付き合っていくことだと思っています。
TV局、漫画家(まんがか)との打ち合わせなど忙(いそが)しい毎日

毎日、色々な人との打ち合わせが多いです。例えば、アンパンマンなどのキャラクターの権利を持っている会社や漫画家の方のところ、商品を試作してくれる会社に行って2、3時間話し合いをしたり、商品を売り出す前の宣伝用の撮影に立ち会うこともあります。キャラクターのテレビ番組もあるのでテレビ局にも行きますし、イベントの視察もします。商品を作ってくれる工場が中国や香港にあるので海外に行くこともありますよ。毎日決まった時間に決まった仕事をするといった同じことの繰り返しではないので、そこが面白いですね。あちこち飛び回って忙しいですが、色々な人と会えることは刺激になり、毎日とても楽しいです。

自分が考えて苦労して作ったものが、世の中に出る、そして売れていく様子を見ると。自分の仕事のやりがいのようなものを感じます。以前、新しい粘土を商品にしたときは、親しみやすい色でにおいのない粘土、楽しく粘土を切ったりする道具を一生懸命考えたので、実際に子どもたちが、「面白いね」と言ってたくさん使ってくれ、すごく喜んでくれた時はとても嬉しかったです。また、自分のやっている仕事の内容が一人の母親としても自分の子どもに説明しやすいことも魅力です。おもちゃのイベントに一緒に出かけ、自分が働いている姿を見せられますからね。たまに「こんなおもちゃあるといいね」と子どもからアイデアをもらうこともあって、それが励みになっておもちゃ作りにも気合が入るんですよ。

この仕事に就く前は、広告代理店でカメラマンが撮った色々な写真の素材を貸し出して、それをカレンダーやポストカードにしてもらう仕事をしていました。当時、すごく可愛らしい犬(クイ-ル)の写真に出会い「これを商品にしてください」と宣伝して売り込んだところ、写真集まで作ってもらえたという経験があります。自分がいいと思ったモノが商品になっていくのはこんなに嬉しいことなんだ!と感じたので、次はジグソーパズルを作りたいと思うようになりました。そして、今の会社に出会ったんです。仕事の内容は、おもちゃ作りが中心でジグソーパズルはありませんでしたが、面白そうな会社だなぁと思って入社することにしました。

鉄棒でスカート回りや人形遊びなど、夕ご飯の時間になるまで公園で近所の子達とよく遊んでいました。中学、高校の頃は絵を描くことが大好きで、それが飛びぬけて上手だったかどうかは自分でもよく覚えていませんが、ノートの端にマンガをよく描いていました。そういったこともあって、高校3年生の時にデザインをするような仕事に将来就きたいと思い、美術の大学に進学しました。大学では造形科という学科に入り、粘土で形を作ったり、色の勉強をしたりして、今の仕事につながる基本的な力、つまり“モノづくりをするための軸”が備わったんだと思います。

私は強い心を持って欲しいと思っています。私も仕事で失敗をしたりすることはたくさんあります。タイムマシーンがあれば何度も時間を戻したいと思いました。でも、タイムマシーンは空想の世界。やっぱり、失敗した事や自分がしたことを1つ1つ受け止めるしかないのです。「失敗は成功の基!」失敗をしなければ学べないこともたくさんあります。次はがんばるぞ!と言う気持ちでがんばったら、絶対強くなれると思います。そして、子どもの頃にやってしまった失敗は、大人になった今「あんな失敗もしたな~」と言えるようになりました。これから出会う人や色々な出来事で、素敵な出来事がいっぱいあるかもしれません。今を一生懸命生きよう。
取材・原稿作成:大月(取材スタッフ)