
| 生まれ |
1965年 |
| 子供の頃の夢 |
別になかった |
| クラブ活動(中学校) |
サッカー部 |
| 働いている地域 |
兵庫県 |
出身地 |
兵庫県 |
| 仕事内容 |
海で船を操縦し、魚介類を捕る |
| 自己紹介 |
子供の頃(ころ)から我慢強(がまんづよ)いと言われた。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2007年07月28日)時点のものです


漁師の仕事は、漁船に乗って海で魚や貝を獲り、それを市場に売ることです。魚を獲る方法はいろいろありますが、私の場合は底引き網という方法で、鰈や平目、蟹、海老などの海底に住んでいるものを獲っています。他には船引き網、巻き網、定置網、刺し網などの方法がありますが、私が漁をしている瀬戸内海には海底にすむ魚が多いので底引き網が適しているのです。それから漁のほかに、牡蠣や蛤仔、帆立、赤貝など貝類を養殖しています。養殖とは種を蒔いて育てて、大きくなったら市場に出荷するという方法です。

まず、たくさん獲るためには、ただやみ雲に網を投げ入れていてもだめです。時期、天候によって魚がたくさんいる場所は変わるので、そのときによってどこがよく獲れるか考えながら網を投げ入れます。考えるポイントは、いろいろあります。昔から言い伝えられた情報、魚群探知機やGPS(地図に自分の船の位置を映す装置)などのハイテク機器からの情報、その日の天気予報や漁師仲間からの情報、をもとにその時々で自分で判断します。それから、おいしい魚を獲るために、山に木を植えたりもしているんですよ。魚と山の木々に関係があるなんてびっくりしましたか?魚や貝がよく育つ海にするためには環境を保つことがとっても大切なんです。

朝は3時半に起きて、お弁当を持って(朝、昼用)4時半に出港します。とても早いでしょう。帰りは16時から17時ごろ。12時間くらいずっと船の上にいて、その間に底引きの網を20回から25回入れたり揚げたりします。私の場合はひとりで一隻の漁船に乗っているので全ての判断を自分でしなければなりません。どこで網を入れるか、何時に帰るか、何時にご飯を食べようか、休憩は何回にするか、全て自分で決めるのです。海の上に長い時間いるのは体力のいる仕事ですが、年をとって70才になっても続けている人もいます。会社員だと定年退職というのがありますが、漁師は何才まで仕事を続けるかを自分で決めていいんですよ。
大物が獲(と)れたり、たくさん獲(と)れるとうれしい

一生懸命頑張ったら、その結果はすぐに分かります。獲ったものを市場に持っていくと他の漁師さんたちとどれだけ獲れたかを比べることができます。他の人よりも多ければ自分の判断が良かったことになる。大物が獲れたのも同じこと。養殖の仕事では、質の良いものに育てることができたときに「どうだ、うちのはいい牡蠣でしょう!」と自慢したくなります。小さい種から世話をして心を込めて育てた貝が、大きくて立派な商品になって、それをお客さんが買ってくれておいしいと言ってくれたら、とても嬉しいと思います。

最も大事なことは事故を起こさないこと。船や機械がこわれたり、自分が海に落ちたりしないように注意しなくてはなりません。そのためにはライフジャケットを必ずつける、機械の点検をきちんとやる、毎日の点検がとても大切です。海の上に一人でいると、もし、船から落ちたら誰かに助けを求めることができません。助けが来るまでに長い時間がかかることが多いのです。

私がこの仕事を選んだのは、実は特別な理由はないんです。親が漁の仕事をしていたので生まれたときから漁船や港が身近にあって、仕事の手伝いを小さいときから毎日していました。父親が漁から戻ってきて、その日に獲ってきた魚や貝を船から上げて出荷できるように整理したり、網などの道具の片付けを手伝いました。友達の家も漁をしている家が多かったから、友達も同じように手伝いをしに海辺に集まってきていました。手伝いの合間に友達と鬼ごっこをして遊んだりして、楽しかったです。

子どもの頃は走りまわったりからだを動かすのが好きで、小学校ではサッカーやソフトボールのクラブに入っていました。剣道もやっていましたね。中学校ではサッカーのクラブに入っていましたが、父親が漁から帰る頃にはクラブを終えて家に帰っていました。手伝いをするためです。中学生ぐらいになるとスポーツや勉強に打ち込むために自然と手伝いをしなくなる人もいるのですが、私は手伝いが好きでした。学校が休みの日には一緒に船に乗せてもらって魚を獲ることもしました。こうやって自然と今の仕事に続いているのだと思います。

やってみたいと思うことがあったら、とにかく何でもやってみたらいいと思います。やってみたらそれを好きかどうかが分かる。やってみなければわからない。好きだったら続けられると思います。これを読んでいる君、もし漁師をやってみたかったらいつでもここにおいで!
取材・原稿作成:新原(取材ボランティアスタッフ)